この辺りは静か
自分の足音だけが響く
「……アイ」
あたしはボソッと呟く
「サイテーだな、藤原くん……」
ううん、サイテーなのはあたし
アイに何も言えなかった
アイの話を聞いてあげられなかった
「もぉいや……」
自分がキライ
またボロボロと涙が溢れ出る
友達で居たかった
親友でありたかった
アイの笑顔を見たかったのに……
「ひっく……うぅ……っ」
泣き声をあげてまで泣いてしまう
「止まってよぉ……っ、なんでぇ……?」
泣いているのは自分なのに
泣いている理由がわからないの
アスファルトに涙が滲む
「……泣き止まなきゃ……っ」
あたしはゴシゴシと目を擦り、ぐっと涙を堪えた
歩いていたけれど、なんだか走った方がいいのかも
あたしは学校まで走っていった
