初恋とコーヒー



ウチの高校の制服……


男の子と女の子だ



2人は腕を組んで歩いていて、どうやらカップルっぽい



「カップルかぁ……」


ちょっとうらやましくなって、じーっと見ていると




どこかで見たことのある顔


同じ高校の制服



「藤原くん……と」




一瞬


あたしは目を疑った



「榊原さん……?」



2人は腕を組んで歩いている


暗くてよく見えないけど、あの2人は明らかに藤原くんと榊原さんだ



「どうして……?藤原くんはアイが好きなんじゃないの……?」




恋を知らないあたしにとって


藤原くんは謎で仕方がなかった




あたしを好きって言ったり

アイを好きって言ったり

榊原さんと仲良く歩いてるし……




いやいや、ただ歩いてるだけかもよ?


……普通、腕まで組んで歩く?



「もーわかんないよ……」


あたしはその場にしゃがみこむ


その間に2人はいなくなっていた




「おい……っ、山本!?」

「え……?」



先生がすごい心配した表情で走ってきた

……あたし、なにかしたっけ?



「なんでしゃがみこんでるんだ?」


先生はあたしを立たせて聞いてくる


「け、ケータイ落としちゃったから……」

と、あたしは咄嗟にウソをついた


すると

「なんだぁ……よかった……」

先生はホッと胸をなでおろして言った



どうしてこんなに心配してくれるの?


嬉しい……




先生の優しさにドキドキして

先生のぬくもりを知りたいと思ってしまう



先生に恋しちゃダメなのに

どうしてこの気持ちを止められないの―――……?