初恋とコーヒー



先生……



「もうそんなことするなよ?」

「はぁい……」



あたしは先生に


「ごめんなさい……」

と謝った


「はいはい……あ、もうこんな時間」

「わ……ほんとだ」


時計の針は、もう6時を指していた


冬に比べ、少しずつ日が暮れる時間は長くなっている


けれど、1人で帰るのにはなかなかの暗さだった



「送るぞ」

「え?いいですよ、そんなの……」



あたしが断るけど、先生は


「もうこんなに暗いぞ?女の子1人で帰らせるわけには行かないだろ……?」


と、ちょっと照れた顔でそう言ってくれた



「……じゃあお願いします……」


あたしは先生に送ってもらうことにした



「じゃあ俺、ちょっと職場室行ってくるわ!その明るいとこで待ってて!」

「は、はい!」


先生は駆け足で職員室に向かって行った



……先生、何気なく優しい


その優しさに、ちょっとドキドキしてる自分がいた


「やだやだっ、先生にドキドキしちゃダメッ!」


そう言って、あたしは自分の顔をペチペチ叩く



ふと辺りを見渡すと



「……あれ?」