初恋とコーヒー



アイと榊原さん

同じクラスだったのかなぁ……


あたしとアイは、1年の時に同じクラスで


2年は離れたけど、仲のいいままだった




あたしの知らない1年は


ぽっかり穴が空いている





そんなことを考えていると




「鈴葉ぁ……」

「あっ、おかえりアイ!」


アイは用事を済ませ、帰ってきた

走ったのか、息が荒れている


「なにか言われた?」

「……」

「アイ……?」


アイは黙り込んで、なんだか申し訳なさそうな顔で


「……ごめんっ!」

「え?……なにが?」



アイはいきなりあたしに手を合わせて謝りだした


「どっ、どうしたの!?」

「実は……」



アイは実行委員が集まる前から、他の友達と約束があって


ちょうど集まる時間に約束があったみたいだった



「そ、そうなんだ……」


あたしがポカーンとしていると


「……ホントにごめんっ!ムリ言ってるのわかっるんだけど……」



アイは「すぅー」っと深呼吸して、あたしに


「今日の集まり……鈴葉だけで行ってくれない……?」

「え……えぇ?」




つまり……


あたし1人でって……こと?


「……って、あれ?藤原くんは……」

「あ、藤原もあたしと一緒に行くの……」

「あの……聞きにくいんだけど……デート?」


アイ、藤原くんのこと好きだもんね……


デートって可能性も……


「ないないないっ!あたしと藤原がデートなんてムリだよぉ……」


……違うかった


「じゃ、じゃあなんで……?」


おずおずと聞くと、アイは



「榊原さんに誘われたの……」

「榊原さん……?」


さっきアイのこと探してた子だよね……


「どうして藤原くんも?」

「なんだかよくわかんないんだよね……とりあえず一緒にって……」



アイは不思議な顔をして、首をかしげて考えている


「でも……大丈夫だよっ!」

「え……?」


あたしはアイに笑顔を見せた


「アイと藤原くんがいなくても、あたし1人で頑張るよ!」


グッとガッツポーズを見せ、アイを安心させようとする


「もう鈴葉ったら……っ」

アイはあたしの頭を優しく撫でて


「……ありがと」

と言った