初恋とコーヒー



階段を上がり、教室へ入った


「あっ、鈴葉!」

「ん?」


教室に入った途端、アイにも呼び止められ


あたしは重たいカバンを持ちながら、アイと話し始める



「さっき、なんで先生に呼ばれてたの?」

「え?なんか放課後集まるからーって……」

「うそっ、それってあたしも残らないといけないヤツなんじゃ……」

「うん、実行委員だから……」


あたしがそう言うと、アイは焦った顔で


「あたし、先生のとこ行ってくるっ……!」

「あっ……うん」



アイ、なにか用事?


すっごい焦った顔してたけど……



アイのことも気になりつつ、あたしは自分の席へ着いた




窓から注ぎ込む太陽のあたたかさ


あたしはこの季節が好きだ



「ねぇねぇ、今日席替えするんだってー!」

「ホントに!?楽しみなんだけど!」



どこからか、そんな声が聞こえる


えっ……あたし席替えしたくない


この席、お気に入りなのに……



あたしは1人でしょんぼりする


すると


「山本さん」

「はっ、はい」


話しかけてきたのは、同じクラスの


榊原 結
《sakakidara yui》



おっとりしてて、可愛らしい女の子


全然話したことないけど……


「アイちゃん知らない?」

「え?アイ?」


榊原さんは、アイを探してるみたいだった




……てか榊原さん


アイの友達なんだ……


「アイなら先生のとこ……」

「そっかぁ、ありがとう!」



榊原さんは、ニコッと笑い


アイを探しに行った