初恋とコーヒー



アイが藤原くんと出逢えたのが


運命だとしたら



あたしの運命の人はどこにいるんだろう




「……鈴葉?」

「えっ」

「なにぼーっとしてんの、学校着いたよ?」



思い出話をしている間に、もう学校の前まで来ていた



「おはよー」


校門には、青山先生が立って


挨拶をしていた



「おはようございます」


あたし達が先生に挨拶をすると


「お、山本!」

「はっ、はい」


先生に呼び止められ、あたしは校門に入らないままだった


「ごめん、あたし課題わからないから先行く!」


アイは軽く手を合わせ、先に校舎へと入っていく


「うん、わかったー」



あたしもアイに手を振り、先生と話をし始めた


「体育祭の実行委員、今日放課後集まるんだ」

「そうなんですか?」

「あぁ、今日いきなり決まってな……

空いてるか?」

「はい……一応」



部下もバイトも何もやっていないあたしにとって


放課後に居残りするのは苦ではなかった



「おー、よかった!じゃあ今日、3年1組の教室で」

「はい」



あたしは先生にペコッと頭を下げて


校門をくぐった