「これお菓子、元気出してくれたら……」


あたしが差し出したのは、アイが好きなショートケーキ


「わぁ……!ありがとう……!」


アイは赤い顔でにっこり笑って、ショートケーキの箱を受け取った


「アイ、ショートケーキ好きなんだな」

藤原くんが不思議そうに言うと


「わっ、悪い!?ケーキ好きなの!」


……アイ、ツンツンしてるな


好きな人の前だと、ツンツンしちゃう子


わからなくもない


「じゃあね、アイ」

「うん、鈴葉も藤原も、ありがとう……」


「じゃあなーアイ!」

「う、うん……ばいばい」


アイってば、顔真っ赤


熱のせいなのか、アイは顔がもっと真っ赤になっていた



あたしと藤原くんは、アイにばいばいをする


「じゃ……ケホッ」


アイは、小さく咳をしながらも、あたし達に手を振ってくれた