―――……
「へぇー?アイにもそんな乙女な面があったんだぁー」
あたしはアイをツンツンとつつく
「もうやめてぇ……」
アイは恥ずかしさの汗が頭から流れ出ている
「それにしても、どれだけ考えてもアイが藤原くんを好きなんて……」
「あたしだって恋ぐらいするわよっ」
アイはプリプリ怒って言った
「……あたしさ、幸せな恋愛なんてしたことなかったんだよね」
「え……」
「今までいろんな人と付き合って……抱かれたりしてた……その時は、後先なんて考えないで付き合ってたんだよね……」
「アイ……」
“幸せな恋愛”
その言葉を聞くと、人はどんなことが思い浮かぶだろう
大好きな人と付き合って、幸せに愛し合って
……アイは、そんな恋愛じゃなかったんだ
「だからさっ、鈴葉には幸せになってほしいんだよねー」
アイは笑っている
