同じクラスなのに、あんまり話したことなかったけど
こんなにいいヤツだったんだ……
「ほらよっ」
藤原は、あたしを保健室まで運んでくれた
「あ……ありがと」
あたしは恥ずかしい思いをかき消しながら、藤原にお礼を言う
「もう転ぶなよー?」
「わ、わかってるもんっ」
「……」
「え、え?」
藤原は黙り込んであたしを見つめた
「なに?」
「上杉って……案外可愛いんだな」
「はっ!?」
藤原は真顔で言う
あたしをまじまじと見て「うーん」とか「あぁー」とか……
「意味わかんないっ!なんなの急に……!」
「チワワみたい」
「チワワ!?」
「プルプル震えてるし」
「っ!!」
チワワとか、いきなり可愛いとか
……調子狂うし!
「バカっ!……藤原のバカ!」
あたしはダッっと走る
足が痛むけど……
「藤原なんて……」
……こんなに照れてる顔を見られるよりはマシだ
