初恋とコーヒー



同じクラスなのに、あんまり話したことなかったけど


こんなにいいヤツだったんだ……


「ほらよっ」


藤原は、あたしを保健室まで運んでくれた


「あ……ありがと」


あたしは恥ずかしい思いをかき消しながら、藤原にお礼を言う


「もう転ぶなよー?」


「わ、わかってるもんっ」



「……」


「え、え?」


藤原は黙り込んであたしを見つめた


「なに?」


「上杉って……案外可愛いんだな」


「はっ!?」


藤原は真顔で言う

あたしをまじまじと見て「うーん」とか「あぁー」とか……


「意味わかんないっ!なんなの急に……!」


「チワワみたい」


「チワワ!?」


「プルプル震えてるし」


「っ!!」


チワワとか、いきなり可愛いとか


……調子狂うし!



「バカっ!……藤原のバカ!」


あたしはダッっと走る


足が痛むけど……



「藤原なんて……」


……こんなに照れてる顔を見られるよりはマシだ