初恋とコーヒー



あたしが黙り込んでいたとき


「あっ、上杉転んだんだな?」


うっ……


「……」


そのとき、あたし絶対顔赤かった


顔だけじゃなくて、体中が熱い


あたしは藤原に見透かされたことが恥ずかしくて、無理やり歩こうと


「離して……っ、あたし歩けるから」


藤原の手を振りほどいて立って歩こうとした

けど


「……痛ったぁ……」


ヤバイ、これホントに痛い


捻った所がズキズキして、上手く歩けない



藤原にまで見られてる


「……っ」


「ほら、乗れよ」


「……?」


藤原は、あたしに背中を向けて

「乗れ」と言った


「やだよ、あたし重いし……」


「は?お前何言ってんだよ、さっきめっちゃ軽かったぞ!」


「……」


「ほら、早く!」


あたしは藤原に言われるがまま、藤原におんぶしてもらう


「あの、その……重かったら降ろしていいから」


あたしは藤原に遠慮して、降りようとするけど


「ダメ!捻った所そのままにするのはダメっ!」


ダメ、と言った藤原の顔


あの優しさに溢れた顔は、あたしはいつまでも忘れないだろう