―――……
「いたた……」
あれは、まだ2年生だった頃
あたし、アイは廊下を走っていたら、不覚にも転んでしまった
は、恥ずかしい……
制服はホコリで汚れて、足も捻ってしまった
「ウソ……立てない」
捻ってしまった足が痛んで、立てない状態
どうしよ……
いろんな人が見てる
痛くて立てないし……どうしたら……!
涙が出そうになったその時
「んしょっ!」
「え……?」
あたしの体をヒョイっと持ち上げたのは
同じクラスだった藤原だった
「ふ、藤原……」
「おぉ上杉!どうした、こんな所で……」
藤原は呑気な顔をして、あたしを見つめる
「べ、別に!?……なんにもないよ」
あたしは、転んだことを言うのが恥ずかしくて
素直に転んだことを言えなかった
