「……言ってくれないの?」
「恥ずかしいもん……」
アイの顔はますます赤くなった
「……………ふ」
「ふ?」
アイは好きな人の名前を言い出す
「…………ふじ、わら」
「ふ、藤原くん!?」
好きな人の名前を口にしたアイは、へにゃへにゃっと力をなくした
「……うん」
「え……すごい」
「なにが!?」
アイが藤原くんを好きなんて……
「なによその顔……わ、悪い?」
アイは開き直って、あたしを睨みつける
「えぇ?別に……意外だって思っただけ」
あたしはアイを宥める
「ふーん……」
「ねぇ、どうやって藤原くんのこと好きになったの?」
「えっ?」
「馴れ初め……って言うか、そんな感じの」
「あ……あれはね……」
アイは少し遠くを見ながら、懐かしい目で話し始めた
