「さー、HR始めるぞ」
先生が教室に入ってきて、みんなはガヤガヤとしながら席についた
「今日の欠席は……」
「あっれー?アイは?」
藤原くん……
藤原くんはアイのことを気にしていた
「上杉は今日休みだ」
「えぇー?せっかくアイと話せると思ったのにぃ……」
藤原くんはブツブツ言いながら話すのをやめた
なんなの……
藤原くんは榊原さんと付き合ってるんじゃないの?
そのいい加減さがアイを傷付ける
あたしはやっぱり……藤原くんはキライだ
「……先生」
「ん?」
「頭痛いので……保健室行ってきます」
「あ、あぁ……」
あたしは先生にそれだけ言うと、教室を出た
足早に歩き始め、あたしは早くどこかへ行きたい気分だった
他のクラスもHRをしてる
みんな先生の話を聞いていて、静かだった
自分の履き慣れたローファーの音が廊下に響く
あたしは、なにがイヤでここにいるんだろう
「はぁ……」
あたしはため息を漏らす
このなんとも言えない気持ち
モヤモヤして、気持ち悪い
「……」
とうとうあたしは保健室に来てしまった
「し……失礼します」
「はぁい」
花野井高校に通って3年
あたしは保健室に来たことがあまりなかった
いつの間にかベットの位置が変わっていて、なんだか落ち着かない
「そこ座って、熱測ってね」
先生に体温計を手渡され、あたしは脇に体温計を挟む
……うわ
これ、ホントに熱あるかも……
よくわからない気持ちでここに来てしまったけど
頭がぼやぼやして、寒気がしてきた
