入部してからずっと
鳳浩太は私への好意を示してくれる。
それは全て先輩後輩としてだと
私は自分に言い聞かせていた。
だって彼は
わざわざ私を選ばなくても
選び放題なくらい
顔もよく性格も明るく
人気があるのだから。
わざわざ
私のようなオトコオンナじゃなくても…。
『先輩…?』
彼が嫌いかと
言われれば答えはNO。
好意を寄せられ悪い気などしない。
でも、だからと言って
彼と同じ意味の“好き”でもない。
好きと思えるほど
私は彼の事を知らなかった。
『私は………』
好きと嫌いの境界線。
それがあまりに曖昧で
どう言えばいいのか
正解の答えが分からない。
『私は…っ!』
恋愛なんて私には無縁のものだと
遠ざけていた。
自らも恋するなんて気持ちを
忘れてしまうほど。
だから
どう言えば彼が傷つかないか
自分も傷つかないか
そればかり考えて。
グルグル考えても
答えなんて見つからなくて
追い詰められたように
私は目に涙を溜めていた。
『せんぱ……』
こんな姿恥ずかしくて
みっともなくて
余計に泣けてきた。
『先輩っ!』
こんな姿見られたくなくて
私はとっさに顔を下げた。
その時…………
パシャッツー………
『『え?』』
私達2人の耳に聞こえたのは
カメラのシャッター音だった。

