4時彼~君に捕らわれて~



先ほどまで怒っていたのは

私だったはずなのに……

どうしてだろう。


今では彼の方が怒っているように

思えてならない。


掴まれた手は

簡単には振りほどけないくらい強い力。

いつもなら簡単に

振りほどけてしまうのに。



『は、離して…』

『イヤです。』

『離してってば!部活行かなきゃ…』

『分かってます。でもイヤです。』

『もう!なんでよ!
怒ってるなら私に構わなきゃいいでしょ!』

『怒ってませんよ。』


『え?』


『怒ってません。ただ悲しくて……。』



悲しい……?

細長い眉と長いまつ毛が下をむく。


『先輩はずっと…
冗談だと思ってたんですね。
俺の気持ち。』

『え…?』

『入部してからずっと気持ちを
伝えてきてたのに。』

『え…いや、だからでしょ!』



入部してからずっと

あざといほど好意を寄せてきた鳳浩太。

何も知らない初対面の私に

好意を寄せるなんて

本気と思えるはずがない。



『じゃあ、ここでちゃんと伝えますね。』

『は?』



掴まれていた手は彼の胸元へと当てられ




『俺、晴先輩が好きです!』




ドキドキと無駄に早く打つ心臓の音。

その音が

彼の本気を証明していた。