なんだかいいように流されているような
そんな気がしつつも
私と彼は
共に並んで廊下を歩いた。
早まったかもしれない。
そんな考えが頭をよぎり
流された事を
後悔してないといえば嘘になる。
『先輩ッツ!』
『え……』
考え事に気をとられ
目の前が階段だという事すら
見えていなかった。
ガクッと足を踏み外し
落ちるッツ__!
そう諦めて目を閉じた。
バサバサーっとカバンから
教科書が落ちる音がする。
けれど………
いつまでたっても
痛みを感じる事はなかった。
そのかわり
グッと力強く誰かが触れているを感じた。
『え……なに……』
おそるおそる目を開けると……
『ッツ!』
目の前に広がる光景は
階段から落ちる前と同じ。
違ったのは……
『大丈夫?先輩。』
鳳浩太
彼が私を
抱きとめてくれている事だった。

