4時彼~君に捕らわれて~


別に特別な感情なんてないけれど

友達とも違う

仲のよい後輩…とも少し違う

男の子の名前を呼び捨てにするのは


少しだけ


ドキドキした。




『浩太……?』



たいした意味なんてないのに



『……………はい、先輩。』



とても嬉しそうな顔をする彼を見ると


余計に恥ずかしさが増す。



『と、とりあえず!私は呼んだからね!
だから、話を……』

『ちゃんと聞きますよ。なんでしたっけ?』

『だから!もう迎えには来ないで!って話。』

『…………。』

『浩太……?』

『はい!何ですか?』

『何ですか…って、話きいて…た?』

『はい!聞いてましたよ!』

『じゃあ……』

『でも、嫌です!』



……………ん?


『ちょっと話きくって……』

『はい、聞きましたよ。
でも…行動にうつすとは言ってません。』



なっ!……………ぐぅ。

こんな子ども騙しみたいなやり方……



『子どもみたいって思いました?』



鳳浩太は眉を下げて、私を見つめた。



『でも、こんなやり方してでも…
先輩の要望はきけません。
俺、先輩の迎えが凄い楽しみなんです。
これ以上何も望まないから…ダメ?』



鳳浩太の幻の耳としっぽが

さらに大きく見え

あざとさも

嘘くさい涙すら


決心をぐらつかせる要因となった。