六月三十日

私はいつもより早く目が覚めた。トイレで用を足した後、朝食を取りに行った。食べてる途中に、青いハンカチが落ちているのに気がついた。ベッドからおりてハンカチを拾いあげてみると(山里恭太)ときれいに刺繍してあった。ナースステーションの看護婦さんに、「(山里恭太)てしってますか?」と聞くと、「あ~。の~。1○2号室のひとですけど」
といってくれた。

わたしはすぐさま届けに行った。

山里恭太は寝ていた。思った以上にかっこよかった。だけどこんなアタシなんて相手にしてくれないと思い、起こさないようにそっとハンカチをおいた。