「それでも槙さん酷い!一言あっても良いでしょ!バカバカ!」槙さんの胸を叩いた。
「すいません…」
「私がどれだけ悲しかったか…」
「すいません…」
あたしが槙さんをどんなに責めても槙さんはただ謝るだけ。
「槙さんは、もう私の事好きじゃないの?」
「勿論好きですよ!愛してます!私はこまめさんを愛してます!!だから私と結婚してください!」
「はい!」
「え?…こまめさん…?良いんですか?私で?」
「はい!お願いします」
「一生貴女を幸せにします」と抱き締めてくれた。
「はい!私も貴方を幸せにします」
中年男性の公での公開プロポーズ。
周りから沢山の拍手が贈られる。
いつの間にか回りには沢山の人だかりが出来ていた。
嘘…
『おめでとう!』 『おじさん頑張ったじゃん!』『お姉さんそんなおじさんで良いのかよ?』
いいんです!槙さんはおじさんじゃないし!
回りに何を言われようが、槙さんの素晴らしいところは私一人が知ってれば良いんだもん!
周りからの祝福は嬉しいようでちょっと恥ずかしい。
やっと…自分の気持ち伝えられたのに、今から1週間会えない。仕事だもん我慢しなきゃ…
「気を付けて行ってきてくださいね?」
「はい。毎日連絡しますから」
「…はい」
名残惜しそうにしてる私達へ佐野さんから封筒が差し出された。
「社長、輝一様からこれをお預かりしてきております」
「輝一から?」
佐野さんから受け取った封筒には航空券とあたしのパスポートが入っていた。
え?
「輝一の奴、仕事は半人前のくせにやってくれるな?」
槙さんは嬉しそうに言う。
「これで一緒に行けますね?」とあたしの手を繋いでくれる。
「はい」
どうやら、あたしは輝一君にまんまと騙されたようです。
「これは帰ったらお仕置きですね?」と笑ってイタリアへと飛んだ。

