二頭(二人の男)追うもの…バチが当たる


帰り道、何度か連絡をくれてる輝一君に電話を掛けた。

「ごめんね? 電話に出れなくて? 友達のところで食事ご馳走になってたの」

『それ女友達ですよね?』

「勿論、女友達。あっでもひとりイケメン君が居た!」

あたしは敢えて、川井先輩の家だとは言わなかった。川井先輩の名を出す事で、今の私達の仲が壊れそうな気がしたからだ。今は、まだこのままで居たい。勝手だと分かっていても。

『えっ?』

慌てたような声の輝一君に、あたしは「2歳のイケメン君だよ?」と笑って言う。

『なんだ… こまめちゃん、会いたいです。今から行っても良いですか?』

「ごめん。2歳の男の子相手して疲れちゃった。あたしも歳かな?輝一君もあたしより若い子の方が良いんじゃない?」

あたしはズルい
自分で選べないから、相手に選んで貰おうとしている。
でも、輝一君の返事を聞くのが怖い。

『それ本気で言ってます?』

いつもと違う輝一君の冷たい声

輝一君が怒ってる
どうしよう…
早く謝らなくちゃ…

謝らなくてはと思ってると、電話は切れてしまった。

「あっ……」

嫌われた…?

もう 輝一君に会えない…?
もう 輝一君の声聞けない…?

目頭が熱くなり、何かが頬を伝う。通り過ぎる人達が怪訝そうな顔をして行く。

言ってしまってから後悔するなんて
ホント馬鹿…

槇さんに『私はオジサンだから』と言われる度、さびしかったからあたしは違うと言い続けた。いくら歳が離れていても、槇さんをオジサンなんて思ってないし、槇さんにも思って欲しくなかった。

輝一君も同じだったんだ…

槇さんはあたしを手放すような事は絶対に言わない。でも、わたしは…