「お前……砂川の……!」


「え?」



突然の大声に講堂が静まり、視線が一気にこちらに集まった。

私はとっさに持っていた教科書で顔を隠す。


なんだかここ最近、悪目立ちすることばっかりだ……。




「そこー、私語はしてもいいが小さな声でしろー」



ゆったりとした動作でこちらに振り向いたおじいちゃん先生はずり下がった眼鏡を治しながらそう言った。