「は……はい!」 じっと見ていたのがバレたのか、男の人は私の方に視線を移す。私はとっさにうつむいた。 隣の席の人とはいえ、全く違う人種の男の人。 いわゆるヤンキー(とはいえ講義はきちんと受けているようなのでマイルドな方なのかもしれない)。 そんな人に目をつけられないように生きてきたつもりではあった。