「優衣も一緒に見ましょうよ〜」 「私は……いいよ」 これだけ毎日のように砂川薫を液晶越しに見ていたのになぜあの日にあの男が本人だと気付かなかったのか。 最も、芸能人に困っているところを助けられるだなんて一般人なら誰も思わないだろう。私だって思わなかった。 髪を乾かし終えた私はもう自室に戻ろうと思い立ち上がった。 それと同じくらいのタイミングで家の呼び鈴が鳴る。