「ど、どうひよ!?こまる!」 「知らん!一回ちゃんとあの男と話せ!」 ぱっと突然手を離されて私はよろけて、壁にもたれかかった。 自分でしでかしたことの重大さに涙が出てくる。 アイドルだなんて知らなかった。あの時は名前すら教えてくれなかったし。 もう二度と会うこともないと思っていたのに。 「それにしても、なんでアイドルがうちの大学なんかに――」 「見つけた。」