「自分の気持ちに決着をつけたかったの……あの人が本当にひどい人なんだってわかれば、楽になれる気がして……」 卑怯なことを言っているのはわかっている。 美香ため、薫くんのためなんて理由をつけたって、結局は自分のためでしかない。 「ごめんね、そんなふうに君を追い詰めるつもりはなかったんだけど……」 いつの間にか薫くんがベッドに膝をついて身を乗り出していた。