「由美子、お願いがあるんだけど」


「何?」


ベッドのすぐそばに置かれた小さな棚の上に私のバッグが乗せられていた。

どうにか手を伸ばして取ろうとするが届かない。

それに気がついた由美子が私のバッグを拾い上げて手渡してくれた。



「あの、飲み物……買ってきて欲しい」



小さくお礼を言ったあと、バッグの中から財布を取り出して由美子にそう言うと、彼女はそんなことかといった顔をした。