「おい、あっち行ってな!」 「え?」 そう言われた頃には私はもう由美子のすぐ近くまで来ていた。 由美子はしまったという顔をして私の肩を押す。 「すぐ戻るから、アンタは逢坂と戻ってな。大丈夫だから」 「……優衣?」 由美子がそう言い終わるのと同時に、由美子の後ろから顔を出した人がいた。