「逢坂くん……」 「ほら」 差し出された白い長財布は確かに私の所有物だった。 「ありがとうございます」 財布を拾ってくれた逢坂くんに軽く頭を下げて受け取って自販機に向き直る。 いつの間にか私はボタンを押していたらしく取り出し口のところに缶が落とされていた。