「着いたぞ」



逢坂くんの言葉に、私は顔を上げて窓から外を見た。


ガラス越しに見える建物の外観は周囲の建物よりも頭何個分も大きく、車の中からはその高さを確認することができなかった。



「これつけとけ」



逢坂くんはそう言って、エンジンを切りながら私に向かって何かを放り投げた。


ちょうど膝の上に落ちたそれを見下ろすと、「staff」と書かれた札が透明なホルダーで保護されて、首から下げるためのストラップがついているものだった。