「あいつもただの人間で、一人の男だからなぁ」


「素の砂川さんって、そんなに違うんですか?」



私がそう問いかけると、逢坂くんは口角を釣り上げて意味ありげに笑った。



「どうだろうな。」



それ以上、逢坂くんは何も言わなかった。

私もこれ以上は本人以外から本人のことを探るのはあまり気持ちの良くないことかと判断して、小さな液晶画面に集中するふりをした。


画面の向こうの砂川さんは普段は見せることのない無邪気な笑顔を見せていた。