「優衣……」 「ごめん、お母さん。今日はもう一人になりたい」 そう言ったあともお母さんは必要なものはカバンの中に入っているだとか、色々声を掛けてくれていたけれど、そのどれにも私は答えることができず、気が付いた時にはお母さんは帰っていたようだった。 一人残された病室の中で、雨の音だけが虚しく響いていた。