「誰のせいだかご存知の上での発言ですか?」



無機質な中に、かすかに混じった怒りの声に私は肩を揺らして、思わず後ずさった。



「……失礼しました。砂川薫の未来を守るためだと思って、納得していただければ。」



そう言って黒川さんは私に背中を向けて病院を後にした。


数秒の沈黙が流れて、お母さんがかすかに身動ぎをしたのが空気で伝わってくる。

私は力なくベッドに腰を下ろした。