じくじくと熱を持って痛む左腕を見れば、浅くはあるが鋭利なもので切り裂かれた傷跡がある。

雨と混じって、血が流れ落ちていく。



後ろか伸びてきた腕が私の視界を奪って、足が地面から浮いたのがわかった。



『やだ、やだ……!誰か!』



ひたりと冷たく硬いものがTシャツから伸びる私の腕に当てられ、私は泣き叫んだ。


男だか、女だかはわからないが、私の目を覆い隠す指の隙間からかすかに自分の知り合いの姿を映し、私は少しだけ上ずった声で名前を呼んだ。