「おい、優衣!探したんだからね!」 壁にもたれかかるようにしながら歩いていると、後ろから肩を掴まれた。 「ちょっと……どうしたのさ」 振り向いた私の顔を見たその人――由美子は、ぎょっと目を見開いていた。 ぼやける視界の焦点をどうにか無理矢理合わせると、由美子の背後には逢坂くんがいて、2人とも突然いなくなった私を探してくれていたようだ。 2人はかすかに呼吸を乱して、ひたいに汗をかいていた。