「何……?」 声の方に視線を向けると、人だかりができている。 先ほどから視界に入っていたその塊をよく見れば、スーツを着てメモ帳とペンを握りしめている人や、カメラを抱えている人もいた。 「……マスコミか?」 由美子のつぶやいた言葉に、私はびくりと肩を揺らした。 私の不安を感じ取ってくれたらしい由美子は私の肩を押して、人の視線から避けるように私を自分の背中に隠した。