「臆病な自分にすごく後悔したことがあるから」 砂川さんがティーカップの取っ手に指を通して、軽い仕草でカップを口元に運ぶ。 「あの時ああしていれば、こうしていればって……今もそればかりだよ」 「事の大小はあると思いますが、誰でもそうだと思いますよ」 一瞬、決して嫌なものではないが、無機質な静寂が私達を包んだ。 「優衣ちゃんも、自分の臆病さで後悔したことがあるの?」