「げ、ファンデーションめっちゃ付いたんだけど」


「化粧してますからねぇ……」



そう言って、自分が先程失恋した相手の好みの顔に作ってあることを思い出してまた鼻の奥がツンと痛くなった。



「由美子おぉお……」


「はいはい。代返は任せておきな。アンタもう今日は帰った方がいいよ」



足元に散らかった私の所有物を拾い集めながら由美子は私に向けてそう言った。