7月22日。

彼女は夏休み前の終業式をおえ、一人下校していた。

「あ、雪音!」

「雪真…」

雪音の兄、雪真が信号を挟んで手を振っている。

自分に会って笑顔で手を振る姿は、本当に愛おしかった。

雪音は、実の兄の雪真のことが好きだ。

いけないことだと分かっていても、叶わないと分かっていても、想いは止められなかった。

「へへー、一緒に帰ろー」

信号を急いで渡って少しはにかむ姿は、雪音の心をドキドキさせる。

「いいよ、帰ろ」
「やった!そーいえば、真夜は?」