翼くんは余程のことがない限り、いつも1回では起きない。


「ん…もう着いたのか……?」


「はい、着きました。だから早く。もうドア開きますよ。」


「翼くん、起きて。頑張って。」


皆で慌ててドアの所に立ったとき、丁度電車が止まって、

私はその反動で少しよろけてしまった。


「先輩!」「深実!」


━━パシッ!


私の両腕は、翼くんと佐々原くんによって捕まれていた。

左腕は佐々原くん、右腕は翼くん。


取りあえず電車からおりた私は、二人にお礼を言う。