「大声出すなって。昨日、あのあとお前のこと気になってつけてったら急に倒れるもんだから、お前の家も分かんねえし俺んち連れてきた。」



なっ。私つけられてたのか。


でも、あのままあそこで寝てたら


いくら春だとはいえ割と体の弱い私は風邪引いてただろうしそこは感謝だ。



「あ、ありがとう。」


でも素直にはなれなくて小さい声で言った。


「でっでも、だれが着替えさせたの?」


「俺以外にいなくない?大丈夫だよそんな見てないし。気にするな」


なんて呑気なんだよ。


「私も一応女だし、恥ずかしんだけど」


「だって寝ながら悪い夢見てるのか唸ってたし、すんごい汗かいてて。風邪ひくよりはいいでしょ?」


薄々気づいてたけど、割と優しいやつだった。


「ってかずっと見ててくれたの?」


多分だけど、心配して見ててくれたのかなって思った。


「あー。まあ一応ね。熱とかではなかったからよかったけど、心配だったし。」