「ごめん、ごめん」 そう言って、子犬をなだめるイメージで。 でも、天道君は背が高いから、そのふわふわの茶髪に向かって私が精一杯手を伸ばす体勢で。 そっと彼の頭を撫でると、泣く真似をしていた天道君の動きがピタリと止まった。 「?」 思わずそのまま天道君の顔を覗き込むと、少し頬を赤らめて、口を尖らせてる彼。 「俺って、もしかして美希ちゃんに男だと思われてない?」 そう言ってからチラリと小さく見上げるような上目遣いで睨まれた。