「て、天道くん?天道くんってもしかして有名人だったりする?」
いろんな憶測が頭の中でグルグルして、結局自分では整理がつかなくなった私は、とうとう我慢できなくなって聞いてしまった。しかも直球で本人に…。
「えっ!? 俺?」
突然、今までの会話とは全く違ったことを言ったからか、ちょっと驚いた様子の天道君。
だよね。そうなるよね。
ちょっと反省して、少しずつだけど、説明を追加。
「うん。だって、さっきからいっぱい声かけられているじゃない?
私なんて、自分の学校の中もだけど、その後だって誰一人知ってる子に会ってないんだけど…
それなのに天道君は、さっき挨拶してた子で何人目っていうか、もう10人とか20人って数じゃないよね?
めちゃくちゃ声かけられてるよね?」
「そうだっけ? うーん…、俺が有名ってわけではないと思うけど…。
俺がいた中学、サッカーは結構強かったからさ。
練習試合とかで他校とはしょっちゅう行き来があったし、そうこうしてるうちにあちこちで友達がいっぱいできたのは確かかも」
一生懸命に考えながら、思い当たったらしい理由を教えてくれたけど。
その理由だけで、こんなにも声をかけられるものかな?
確かにフレンドリーで話しやすい人だな、とは思うけど。



