でも、どうして天道君はこんなに私に優しくしてくれるんだろう?
たまたま席が前と後ろだったっていうのもあるし、おまけにロッカーまで上下だし、何かと縁があるからかな?
もしくは、女の子になら誰にでも優しいのかもしれない。
たまたま今日は近くにいた私だっただけで、これからクラスの他の女の子とも仲良くなっていけば、彼が誰かとこんなふうにしてる姿は珍しくないのかもしれない。
最初の ”度胸あるなぁ” っていうイメージが、なんとなく、誰とでも仲良くできるっていうのにつながった私は、勝手に納得してその場は終わらせた。
ロッカーの上下にそれぞれの荷物を入れて帰る用意ができた時、天道君がやっぱりニコッと微笑みながら
「美希ちゃん、今日はもう帰るでしょ?
この後は何か予定ある?」
と聞いてきた。



