たまにお釣りをもらう子がいるっていう位で、あらかじめ必要な額を用意してる子がほとんどだから、受け渡しは結構スムーズで前に並ぶ人はどんどん少なくなっていった。
私の並んでいる列の人数が、天道君を除いてあと5人となったところで、天道君が突然後ろを振り向いた。
「それにしても、あの紙袋って相当重いよな、きっと?
俺は男だし、そこそこ鍛えてるから大丈夫だと思うけど、美希ちゃん達女の子には結構きついんじゃないの、あの重さ?」
相変わらず片手をズボンのポケットに突っ込んだまま、反対の手で重そうな紙袋を
よいしょよいしょ
と運んでいく他のクラスの女の子を指さした天道君。
確かにちょっと重そうかも…。
「でも、私も中学の時はテニス部だったし、こう見えても鍛えてたから大丈夫!」
思ったことをそのままスラリと口から出すと、天道君は
「おぉ!美希ちゃん意外と頼もしいじゃん!?」
なんて言いながらまたニパッと笑った。



