今まで女の子の友達しかいなくて、
男の子といえばみっくんとしか話せなくて。
“男友達” っていうのに憧れていたのかもしれない。
*
「げ、」
浅野くんが去って行ってから数分。
浅野くんと話していた間に夏奈ちゃんもどこかに行ってしまって、1人きりになってしまった。
そんな私の口から出たのは『げ、』という女の子らしさのカケラもない一音。
………だって。
「やっちゃったな……」
私が持っているお皿の上に、ぽつんと残る緑色。
宿敵のピーマンさんだ。
こんがりと美味しそうな焼き目をつけているけれど、私は騙されない。
………だって、苦いって知ってるんだもん!!
「あああ、私のばか………」
なんでお肉を先に完食してしまったんだろう。
苦手な食べものを最後に残してしまうのは私の悪いクセで。
お肉と一緒ならかろうじて食べられたかも、しれないのに………!



