「まだ肉食う?」
「うんっ!」
浅野くんの言葉に大きく頷けば、
「ふは、花岡って見た目より結構食うよな」
「うっ……」
その通りすぎて何も言い返せない。
『思ったより食べるね』ってよく言われるし。
………だって美味しいんだもん。
いっぱい食べなきゃもったいないじゃん。
「なに心配してんだか。よく食べる子っていいなって前から思ってたんだけど?」
てっきり呆れられたのかな、と杞憂していた私は予想さえもしていなかった言葉。
「はい、どーぞ」
そんな浅野くんの優しさにジーンとしていると、持っていたお皿に程よく焼けたお肉。
……美味しそう……!
目を輝かせる私に、満足気な笑みの浅野くん。
ありがとう、と言おうと口を開いたそのとき、
「翔太─────!おまえもそろそろ俺らんとこ来いよ────!!」
浅野くんを呼ぶ男の子たちの声。
その光景を見て、浅野くんってやっぱり人気者なんだと実感する。
そりゃそうだよね。
あんなに優しくて、それでいてしっかり者だなんて。
「ごめん、俺呼ばれてるから…!」
浅野くんがお友達の方に駆けて行った。
─────浅野くんがどう思っているかは、わからない。
…でも………できれば、浅野くんとこれからも仲良くしていけたらなぁって、良い友達になれたらなぁって思ってたりするんだ。
私なんかが おこがましいかもしれないけれど……。



