「はい、しっかり食えよ?」
浅野くんから返ってきたお皿には、お肉やら野菜やらがたっぷりと載せられていた。
しかもいい感じの焼け具合。
「あ、ありがとう!」
慌ててお礼を言うと、爽やかな笑顔が返ってきた。
………ほんと、至れり尽くせりだなぁ。
炭に着火するところから、食材を焼くところまで、ほとんど浅野くんに任せっきりで。
私も何か手伝おうとしたんだけれど、
『こーいうのは、男がやるもんだろ?危ないし。………それに、俺がカッコつけたいだけだから』
とやんわり制されてしまい。
おまけに、食べる分までよそってもらって……。
なんだか、浅野くんってお兄ちゃんみたいだ。
なんて考えていると、自分の食べる分をお皿に載せた浅野くんが私の隣にやって来た。
「花岡、一緒に食べてもいい?話しながら」
一緒に……?
夏奈ちゃんはどうするんだろ、とふと思ってチラッと視線を動かすと、浅野くんのお友達たちと仲良さげに盛り上がっているようだった。
さすが夏奈ちゃん。
コミュ力が私とは違う。



