「あの……っ、あ、ありがとう…!」
笑顔でそう言うと、なぜかみんな黙ってしまった。……というか硬直してしまった。
不思議に思っていると、しばらくして、一人がぼそりと呟いた。
「あ"────、翔太が狙ってる子だってわかってるけど………俺結構ホンキでやばいかも」
「マジで狙っちゃおうかな、俺」
それを皮切りに口々に呟き始めるけど、声が小さくて何を言ってるかまでは聞き取れなくて。
どうしたものかと頭を悩ませていると、
「おい」
誰かにぐい、と肩を後ろに引っ張られた。
「っ……、みっくん!?」
誰か、なんてその声ですぐにわかる。
それほど聞き続けてきた声。
勢いよく引っ張られた私の身体はぐらりと揺れて、そのまま背中が後ろにいるみっくんの胸に寄りかかるような体勢に。
焦った私は慌てて姿勢を立て直した。
「えと……、ど、どうしたの?」
みっくんに向き直って、戸惑いながらも尋ねた。
思わず話しかけちゃったけど、いいのかな。
でも、今は私から話しかけたわけじゃないし……!!



