お前のこと、誰にも渡さないって決めた。



「俺も!」

「いや、俺もだし!」


と、口々に男の子たちが。

でも、どうして私と………?



「ひまりちゃんってさ、学年の中で結構有名なんだよね、8組にすげー可愛い子がいるって」

「そーそ、どんな子だろーなって思ってたんだよ」


「そしたらさ、翔太が連れて来てくれてさ。ほんと……」


「「「「「翔太ナイス」」」」」



浅野くんのお友達5人(もちろんみっくんを除く)がピッタリハモって、私はますます首を傾げた。


会話のテンポが速すぎて、全然ついていけてない………っ!
一体、なんの話をしているんだろう……。



きょとん、としている私にやっと話が回ってきた。



「噂には聞いてたけど、それにしてもめっちゃ可愛いね、ひまりちゃん」


彼の言葉に男の子たちが一斉に頷いて。


「えぇっ………いや、そんなことな」



否定しようとするも、遮られてしまった。


「水着もめちゃくちゃ似合ってるし」

「白のビキニとか、なかなかやべーよな」

「普通に鼻血モンだよコレ」



これ、褒めてくれてるんだよね……?

浅野くんのお友達たちって、きっとみんな優しいんだ。
お世辞でも褒めてくれるなんて……。



緊張していた心が少しだけほどける。


優しい人たちなのに、怖がってしまってごめんなさい……と心の中で謝って。