お前のこと、誰にも渡さないって決めた。



今さら返す言葉も見つからなくて、うっ…と押し黙ると、みっくんは鬱陶しそうにため息をついて口を開いた。



『……今日だけだから。必要以上に話しかけんなよ』



と、もちろん口パクで。

そんなみっくんに無言でコクコク、と大きく頷いた。



──────そして、ひとことも交わさないまま、今に至る。


………って、これじゃ意味無いよっ!!
水着を着てるのも、バーベキューに混ぜてもらったのも、他の誰でもなくみっくんと話すため、なのに。


でも、本当に話しかけてしまったら、みっくんはもう絶対一緒にはいてくれない。

いつだって、私が近づこうとすればみっくんは離れていこうとするんだから。




………一体、どうしていきなりこんなことになってしまったんだろう。

今までずっと、仲の良い幼なじみだったのに。



考えても仕方のないことだって、わかっていても………それでも、考えてしまう。

みっくんは、どうして私がそんなに嫌いなの?



「ん〜、じゃあ、俺食材取りに行ってくるわ!」

「一人で行けんの?ケッコーな量だと思うけど」